目覚ましが鳴った。新しい朝の始まりだ。 少し、眠い。でも何故か気分は爽快で、これから起こることにワクワクする。 そんなふわふわした気分で、着替えて出かける準備をする。 コーヒーを少し飲む。コーヒーの甘い味が染み渡る。 ほけーとしながら、のんびり過ごす。

ふと、窓を開けて外を見た。 太陽が全てのものを照らして、全てのものがキラキラ輝いている。 夏だからだろうか、1つ1つの色が鮮やかでとても目を奪われる。 せっかくなら、山の方へ行ってみようかな。

扉を開けて外へ出る。 田んぼが広がる道を歩いていく。 心の中は、踊るようにルンルンで楽しくて、思わず歩きながらクルッと回ってしまう。

坂が見え始めた。 思わず、よし、登るか！と意気込む。 さっきまでの足取りとは変わって、力強く登っていく。 木々の中をどんどん登っていく。

頂上に着いた。後ろを振り返ると、今まで歩いて来た道が見える。 いつの間に、自分はこんな道を歩いていたんだろうか。 それは、自分の目で見てからでなければ分からなかった。

きっとこれからもそうだ。目に見えないものなんて、分かるはずがない。 この道があの人がいつも通っていた道だなんて。 そして、その人が私の心の中にいる。

※この作品はフィクションです。実在の人物、団体とは関係ありません。

※当サイトで公開している小説の文章等の転載の使用を禁じます。