長編小説 日輪 第1章 出会い

第2話

そんなことをなんとなく考えていると、隣にさっと座る人影が見えた。 横を振り向くと、知らない女の人が座っていた。

「こんなところで何をしているの?」

僕は驚いた。こんな場所を探すのは難しいからだ。 よく見ないと分からない場所にあるから、人には気づかないし、話しかけられることはない。

「何してるって、ここで空を見ているんだよ。君こそ、こんなところにいていいの?」

「うん。私は1人だからね。」

一瞬、1人ってどういうこと?と思ってしまい、 深く考えずに聞いてしまった。

「どういうこと、それ?」

一瞬の間があり、俯きながら、女の人はポツリポツリと言った。

「私は人を不幸にするんだって。一緒にいると他の人が考えていること通りに運命が動かない。 だから、自分自身だけで生きているんだ。」

僕の頭の中は真っ白になった。聞いてもよく分からなかった。

「一緒にいるだけで、不幸になる?そんな非論理的なことなんてないだろ。そんなの、自分自身が決断してないから人生を楽しんでないんだろ。 そいつも勝手に人のせいにするなよな。」

女の人は一瞬びっくりした顔をしたが、ふふっと笑って言った。

「あなたに話しかけようか迷ったけど、話しかけてよかった。そんなことを言う人なんていなかったから」

※この作品はフィクションです。実在の人物、団体とは関係ありません。

※当サイトで公開している小説の文章等の転載の使用を禁じます。

あとがき

更新が遅くなって申し訳がない。 想像をしたものをそのまま書ける、そんなことを出来るリハビリはまだまだ続く。

return to Sun Novel